2025年の1月17日で、阪神・淡路大震災から30年となります。
淡路島北部を震源地とした最大震度7という、経験したことのない大地震に見舞われた神戸市などの様子に、同じ関西に住む私たちも大きな衝撃を受けました。
そして、直後より私たちが今できることについて検討を始めました。
それから数日後には、うえだ下田部病院、富田町病院、木村クリニック、さらに両病院の患者団体「健康を守る会」、労働組合が一体となって被災地支援活動を開始しました。
活動の拠点として、最も被害の大きかった長田区の長楽公園に無料診療所を開設し、外来診療と訪問診療を行いました。
テントを設営して、仮設の無料診療所を開設
植田医師などにより、被災者への診療の提供を行った
必要な薬品類は、神戸ポートアイランドにあった支援物資集積場に医師とともに車で出かけ、受け取ることができました。
無料診療所のすぐ隣には長楽小学校(現駒ヶ林小学校)、その隣には野田高校が避難所として使用され、多くの被災者の皆さんが酷寒の中で生活されていました。
神戸市長田区で、継続的に炊き出しを行いました
そこで医療だけでなく、食の支援として茨木市の労組とともに炊き出しを行い、さらに全国から送られてきた支援物資の配布も行いました。
その都度、多くの皆さんが寒風の中、行列に並び、温かいカレーや豚汁などの炊き出しに舌鼓を打ち、お礼の言葉を頂きました。
また、被災者の方々は着の身着のままであったこともあり、衣料品や瀬戸市から送られてきた食器、さらにオムツや生理用品など、なかなか入手しにくい日用品も大量に送られてきて、皆さん喜ばれていました。
この震災が機会となり全国的にボランティア活動が広がり、その後の東日本大震災や熊本地震、昨年では能登半島地震などで「官」の手が届かない所での支援活動に大きな役割を果たすきっかけとなったと言われています。
30年前の私たちのこの貴重な経験は、今後発生が予想される南海トラフ巨大地震などを考える時、改めて私たちが地域に対して果たすべき医療・福祉を考える際に忘れがたいものであるとともに、立ち返る原点の一つとなっています。
今後も地域の皆さまとともに災害への備えを行い、安心して「この街で生きたい」という思いを支える存在でありたいと思っています。
【法人社内報「健和会通信」より転載し、一部を加筆しています】
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